「スタッフの意見は取り入れましょう」の巻
ドラッグストアを営んでいるのであるが・・・。
今の店を始めた頃、「ドラッグストアとはこういうものだ」という哲学と言うか何というか、拘りがあったように思う。
その頃は、自分の考えに基づいてスタッフに動いてもらっていた。
当然、季節毎の商品も自分の考えを優先。
まあ悪い意味で「自分が正しい、自分の考えが一番!!」と思う事が多かったように思う。
今から6~7年程前であろうか・・・。
一人の年配女性スタッフから、
「ハンカチを置きたいのですが」
という相談というか、要望があった・・・(その頃ハンカチは置いていなかった)。
まあ確かに駅中立地という環境にあるため、あれば便利だろうとは思ったものの、
「ハンカチ置いてもそんなに売れるわけないだろうし、そもそもハンカチを忘れて来る人なんてそうおらんやろう・・・。」
と、たかを括っていた。
そのため、暫くの間はスタッフの要望を保留していた・・・。
それでもそのスタッフがあまりに熱心に(しつこく)?言うものだから、試しに置いてみることに・・・。
するとどうだろう、何と結構な数が売れて行くではないか・・・(驚)。
「えっ、皆そんなにハンカチ買うもんなのかぁ~?」
と驚きつつも、実際に売れているのだから何も言えない・・・。
せいぜい売れて月に10個くらいだろうと思っていたら、一日に3~5個くらい売れている・・・(95%は女性客)。
正直なところ、私では思い付かなかった、と言うよりは気付かなかった品揃え。
そもそもストッキングの品揃えを増やしたのも、このスタッフの助言(意見)があったからという経緯がある。
そのおかげか、ストッキングも毎朝かなりの数が売れている。
こうしてみると、
「女性の目線で品揃えをするというのは大事なんだな!!」
と実感。
それから暫くして・・・。
実は、そのころの当店は若い女性客の割合が高く、多少年配の女性客の割合が少ないという問題があった。
そこで、
「年配の女性客を呼び込むにはどうしたら良いか?」
と、スタッフに課題を与えていた。
すると例の女性スタッフが、
「それなら洋服を置きましょう!!」
と言い出した・・・。
「えっ?洋服を置く~~~~?????」
と言ったら、その女性スタッフが一言。
「そうです、皆結構買うんですよ。但し、金額は1000円~1500円程度で」
と・・・・。
流石に、
「くすり屋に洋服はありえんだろぉ・・・」
と思い、速攻で却下。
しかしまた熱心(しつこく)に言うものだから、仕方無しにおいてみる事に・・・。
とりあえず仕入れはそのスタッフに任せてみた・・・。
しかしながら、仕入れてきた洋服を見てビックリ!!
「誰がこんなオバハンくさい洋服を着るんだ?????」
と思わず突っ込みを入れる私。
誰がどうみても売れるとは思えないダサイ服(メーカーさんごめんなさい)。
他の若い女性スタッフも
「・・・・・・・・・・」
という反応。
しかし仕入れた以上は売らなければいけないので、仕方無しに店頭に並べる事に・・・。
すると今迄あまり来なかった年配の女性客が、次から次へとその洋服を手に持ちレジへ来るではないか・・・・。
これには私も他の若い女性スタッフも絶句・・・。
今では当店の売上の柱の1つとなっている・・・(くすり屋なんだけどなぁ・・・)。
年配女性は年配女性の心を知るということか・・・。
それにしても、未だに「何故売れるのか?」という理由が全く分からない。
分からないというよりは理解出来ない!!
それからは全スタッフが、
「やりたい、試してみたい」
と言う事に対してほとんど口出しをしないようになった。
結局、自分の考えだけでは及ばない点が沢山あるという事に気付いたから・・・。
そういう意味で、店頭や店内の商品の入替えが多くなり、良い意味での目新しさの演出が出来ているように思える。
それはそれで良いのだが・・・。
本当に、それはそれで良いのだが・・・。
何故だろう、いつのまにか「くすり屋」というより「バラエティショップ」として認識されるようになっているのは・・・。
うちは「くすり屋」なんですけどぉ・・・・・(苦笑)。
おあとがよろしいようで。
次回は
「博多どんたく港祭り」の巻