「最近の制汗剤なんだけど・・・」の巻
5月末なのに、日本各地で30°を超えたというニュースがTVを賑わせている・・・。
まあこういう状況?なので、制汗剤も例年より早く売れている。
昔の制汗剤と言えば、「ニオイをニオイで消すタイプ」だった。
つまり汗のニオイを別の香りを吹きかけることで誤魔化す・・・。
誤魔化すという表現は良くないけれど、まあ実際そうだったのだから仕方ない・・・(苦笑)。
それが銀の持つ消臭効果でニオイを消すという流れになった。
ニオイで誤魔化さないという意味でも、これは画期的な事だと感心したのを憶えている・・・。
それが更に進化して・・・。
最近はワキの汗腺にフタをするという所まできた・・・(直接塗るタイプの制汗剤)。
ついに
「ニオイの元から絶つ!!」
という、根本からの解決法にたどり着いたのだ!!
と、まあそれはそれで1つの方法だとは思うのだが・・・。
ど~も釈然としない・・・。
そりゃ~汗が出るのを止めればニオイも出ないだろう。
しかし、しかしである。
止められた汗はいったいどこに行くのだ?????
これって自然の摂理に反していないのか?
TVのCMを見ながら、思わずそう考えてしまった・・・。
以前知人が手のひらの多汗症で悩んでいた・・・。
そこでお医者さんに行って相談してみたとの事。
その際、お医者さんより
「手のひらの多汗症は治せますが、その手に出ていた汗が別のところから出るようになります。ただ、それがどこからになるかは分かりません」
と言われたらしい。
つまり手で止められた汗は、別の汗腺から出るだけの話。
しかもそれがどこから出るのかは手術してみないと分からない。
これってど~よ・・・。
結局その知人は何もしない事を選んだ・・・。
ある意味、これと同じようなことではないのか?
それにしても、制汗剤メーカーはそこまで考えなかったのであろうか・・・。
それとも確信犯的に進めたのであろうか・・・。
いくらニオイの元から絶つといっても、そこまでやっちゃ~いかんでしょう・・・。
ドラッグストアーを経営している立場として、このような商品は取扱いたくないというのが正直なところである。
とは言え、お客様からの要望があるため置かざるを得ない・・・。
そうしないと「品揃えの悪い店」と思われてしまう・・・。
う~ん、こういうジレンマは嫌だなぁ・・・。
長年店舗をやっていると、このようなジレンマが起きるような商品がたまにある。
まあもっともそのような商品は早々に消えて無くなってしまっているのだが・・・。
そういう意味では、消えていく商品には消えていくなりの理由があるんだよなぁ・・・(リニューアルは別)。
話を元に戻そう・・・。
ワキから出る汗の量は結構多い。
何せ「ワキ汗用パッド」が毎日のように売れているくらいだから。
それを強制的に汗が出るのを止める。
つまり汗腺を塞いでしまうという事だ。
こんなの体にいい訳がない・・・。
そりゃ~その制汗剤を塗っておけば、汗も出ないしニオイも心配ない・・・。
1度使えば便利だと思って使い続ける事になるだろう・・・。
それが続くとどうなるか・・・。
確実に汗腺の働きが悪くなるような気がする・・・。
便利だからと言って、ニオイが気になるからと言って、体に負担をかけてしまう。
本人がそれでもいいと思ってやっているのなら、何とも言えないのだが・・・。
もしかしたら、体に負担がかかっていることに気付いていないのかもしれない・・・。
誰かが警鐘を鳴らさなければ、いけない事もあるだろう。
ドラッグストアーというのは、人々の健康に役立つところであって決して人々を健康でない方向へ導くところではない。
今回はちょっと真面目な話になってしまった・・・。
まっ、私も一応は薬屋さんの端くれですからねぇ・・・(苦笑)。
やっぱり体に負担をかけるような商品は使っちゃいかんバ~イ!!
おあとがよろしいようで。
次回は
「中国の展示会に出展してきました」の巻