「結婚式の司会やりました②」の巻
さて、前回の続きである。
とりあえず、あくまで私見としての思い出深い3つのエピソードをご紹介しよう。
第3位 「何故あなたが泣く???」
結婚式のクライマックス?と言えば、やはり「花束の贈呈」だろう。
そしてその場で読まれる「新婦からの手紙」。
この瞬間、今までいくらドンチャン騒ぎをしていようがどうだろうが、会場の雰囲気が感動モードに包まれて、一気にしんみりとなる。
今回の結婚式では、新婦より
「私が読むと泣いて全然進まなくなるから、代わりに読んで頂けませんか」
との話だったので、私はその役を引き受けた。
最近の結婚式はどうかよく知らないけど、この頃は「新婦の手紙の代読」というのはよくあったように思う・・・。
そして、いざ手紙の代読が始まる。
ちょっと長めなその手紙を読んでいると、何故か私の斜め後ろからすすり泣く声がする。
私は一瞬「???」と思ったものの、手紙を読み続けることに(客席側から聞こえてきたわけではない)。
すると、すすり泣く声が一気に号泣へ・・・。
慌てて斜め後ろを振り返ってみると、何と「仲居さん?(会場スタッフ)」が号泣していた。
し~んと静まり返った会場に響きわたる号泣・・・。
私は、「もしや生き別れた親が仲居の格好をして見に来たけども・・・」などと、火曜サスペンス的なことを一瞬考えてしまった・・。
会場の注目がその仲居さんに注がれる・・・。
すぐにホテル関係者が飛んで来て、その仲居さんを会場の外へ・・・。
会場に残る一片の気まずさ・・・。
「(い、いかん。こっ、これは何か喋らなければ・・・)」
と焦り、とっさに口からでまかせを・・・。。
(以下私)
「皆様お騒がせ致しました。」
「先程ホテルのスタッフの方が泣いておられましたが、実はこの方もつい先日娘さんをお嫁さんに出されたそうです。」
(お客様一同の雰囲気が変わり、なるほどと納得された様子)
「しかし、ホテルのスタッフの方の涙を誘うほど、新婦のお手紙には心がこもっていたんですね。」
「それでは皆様、本日の良き日をお迎えになられましたお二人に、今一度盛大なる拍手をよろしくお願い致します。」
(拍手とともに、何とか会場の雰囲気が戻る・・・)。
それから両家代表謝辞と、新郎のご挨拶と続き無事お開きに。
この時に悟ったものが1つ。
「司会は機転」
まあ今回の例みたいにウソはよろしくないが、罪の無いウソくらいで会場の雰囲気が戻るのならば、そこは大目にみても良いのではと考えている(あくまで私見です)。
何かハプニングが起きたときに、どうフォローを入れてリカバリー出来るか。
これが簡単なようで意外と難しい。
実際に新婦が躓いて倒れたことがあった。
その時には、
「新郎は新婦のお手をお取り下さい。人生にはいろんなハプニングが付き物です。しかし本日からはお互いがお互いを支えあうパートナーとしての人生が始まります。それでは皆様、今一度お二人のこれからの輝かしい人生に大きな拍手をお願い致します。」
と。
このようなハプニングでも花嫁に恥をかかせる事無く、逆に輝かしい人生に繋げていく。
まあ荒業と言えば荒業ですけどね・・・(苦笑)。
さて、話は戻るが、後ほどホテル側より私に謝罪と説明があった。
その仲居さんはホテルに入って経験がまだ浅いため、つい感情移入してしまったらしい・・・。
まあそれはいいのだが、数多く司会をした中でも、会場のスタッフのフォローをしたのは初めてであった・・・。
会場のスタッフなら、私のフォローをして頂きたいものです・・・(苦笑)。
あとの2つのエピソードはまた次回。
おあとがよろしいようで。
次回は
「結婚式の司会しました③」の巻