「早期退職制度の功罪」の巻
先日、あの電通が早期退職者を募集しているという記事を見た。
正直なところ、
「あの超優良企業の電通が?」
と驚愕したのを憶えている。
今年で人生半世紀。
先日の同窓会でも友人から早期退職の話が出ていた・・・。
しかしながら、
「そろそろそういう対象となってしまうのは致し方のない事なのだろうか?」
といった点を考えてみた。
会社側からすれば一時的に費用は嵩むが、一番コストの高い?中高年を減らす意義は大きい。
そしてそこを切ってから、体制の立て直しを画策していくのだろう。
逆に早期退職の対象者からすれば、
「今切られては困る!!」
といった方がほとんどであるのは間違いないだろう(一部例外はいるが)。
しかしここではそんな一般論を語るつもりは無い。
早期退職対象者の友人を例にとって話してみたいと思う。
仮にA氏としよう。
大手のサラリーマンである彼は、世間一般で言われる休日はすべて休み。
土日祝日、GWやお盆に正月休み等々・・・。
彼はひたすら自分の趣味の時間に充てていた。
それも大半は会社の人間と・・・。
まあそれをどうこう言うつもりは無い。
彼が選んだ道だから・・・。
しかしながらここでA氏に欠けていたものがある。
そう、もし会社から切られた場合どうするのかという思考。
つまり危機管理と言った方が分かりやすいだろうか・・・。
20年前ならいざ知らず、ここ10年は各企業でリストラの嵐が吹き荒れている。
当然明日は我が身という可能性は大きいはず。
しかしながらA氏は言った。
「まさか自分に来るとは思わなかった」
と・・・。
A氏だけではない。
私の知人でリストラに直面した人々はほぼ全員同じ事を言った。
私は商売柄、
「AがだめならB。BがだめならC」
というふうに、常にリスクの回避・分散を考えなければならない。
そうやって少しでも本体に受けるダメージが少なくなるように心がけてきた。
厳しい言い方かもしれないが、残念ながら彼らにはこういった危機意識が欠如しているようにしか見えなかった・・・。
そしていざこのような立場になった時に慌てふためいてしまう・・・。
そして彼らはこうも言った。
「い~よなぁ~お前は。リストラの心配が無くて・・・」
と・・・・。
いや、そ~いう問題ではないだろう・・・。
こちらはリストラの前に「倒産」というリスクを抱えている。
しかも世間で言う休みは休みではない・・・(年末は31日まで仕事して、年初めは2日からでした・・・、泣・・・。)。
真面目な話、「そこまで気楽な商売ではないです」と言っても、彼らには分からないんだろうなぁ~・・・。
話を戻そう。
つまりA氏に代表されるように、彼らには「この先何をしたいのか?」というヴィジョンが無いと言っていい。
と言うより「考えたくない、考えるのが怖い」という方が正解なのかもしれないが・・・。
だからこういう状況に置かれるとパニックに陥ってしまう。
ただ、長年サラリーマン生活を続けていると良くも悪くも惰性の中で生きていくようになるんだろう。
でも会社側からすると、このような中高年を必要とするかどうか?
答えは言わなくても分かるでしょう・・・。
商売人・サラリーマンも関係なく明確にしないといけない事がある。
「この先何をするのか、何をしたいのか?」
「そのためには今何をしなければならないか?」
という点。
そこを決めないと始まらない。
ここがある程度きちんと定まれば、後はその方向に向かうだけ。
とまあ言うのは簡単なんですがね・・・(苦笑)。
ただ、最後にこれだけは言っておきたい!!
GWの長期休暇や、盆・正月休みがあるサラリーマンが羨ましくもある・・・(笑)。
おあとがよろしいようで。
次回は
「葛根湯の怪」の巻