「木曽の御嶽山の想いで」の巻
この間、御嶽山が噴火して大勢の方々が亡くなった・・・。
そしてまだ行方が分からない行方不明者の方もいらっしゃる・・・。
昨日より行方不明者の捜索が開始され、1人見つかったとニュースで流れていた・・・。
捜索隊の方々も非常に大変だとは思うが、1日でも早く不明者の方々が見つかりますよう心から祈っております・・・。
さて、急にこのような話で始まった今回。
「何で木曽の御嶽山?」
といった疑問が当然出てくるだろう・・・。
実は30年程前(大学2年生の頃)のころの話なのだが・・・。
私は御嶽山の7合目あたりでアルバイトをしていたのだ・・・。
それも夏休みを使って・・・。
約40日弱もの間、ここに滞在していたのだ・・・。
その頃は噴火とは無縁であったし、大自然の美しさいっぱいの御嶽山。
早くそのような姿に戻って欲しいとの祈りも込めて、山の想い出を語っていこう・・・。
そもそも何でここでアルバイトをしたのか?
私が落語研究会に入っていたのはこのブログをご覧の方々ならご存知だろう。
実は、代々この落研で引き継がれているバイトなのであった(但し、いつ頃から始まったかは不明・・・苦笑)。
とにかく先輩達から話を聞く限りでは、ものすごく面白そうだと思ったので行ってみる事に。
仕事内容は少し小さな国民宿舎?みたいな所でお泊りのお客様の世話をするというもの。
御嶽山は「ご来光」が大変有名である。
宿泊客は全員それが目的。
皆さん朝の3時くらいから宿を出発して登頂。
そして頂上からご来光を拝むというパターン。
まあ朝早い?のが少々大変ではあったが、いろんな経験が出来たアルバイトであった。
ちなみに到着初日。
宿の方が車で出迎えてくれ、そのまま宿へ直行。
宿泊施設のあるところの標高は2130m・・・(高っ)。
やはり地上と比べて気圧が低いのだろう。
ポテトチップスの袋がパンパンに膨らんでいたのにはビックリ・・・(驚)。
ということはもちろん空気も薄い・・・。
実際、少し走っただけでも息が切れてしまう・・・。
まあこれは数日もしたら慣れてしまったのだが・・・(高地トレーニング?)。
宿泊施設にはもちろん宿泊客が来るのだが、日帰りで景色を楽しんでいかれるお客さんも多い。
そのようなお客さんを相手にする食堂(200名くらい入る)で、配膳や後片付けをするのが私の担当であった。
大体1週間もすれば仕事内容は覚えてしまう。
まあ昼のラッシュ時?を除けばそう忙しい訳でもない・・・。
そしてある日の事。
空は快晴であり、今日も昼は忙しくなりそうだと考えていた。
そしてお昼に・・・。
しかし・・・・。
お客さんがほとんど来ない・・・。
「おかしいなぁ・・・、何でだろう・・・。」
と不審に思い、宿の大将に聞いてみた。
すると、
「あ~、今日は下界が大雨だからだよ」
と、事もなげに言うではないか・・・。
「え~っ、大雨?こんなに晴れているのに~????」
と言ったところ、
「ここは雲の上だから晴れてるんだよ」
と説明された・・・。
そう、標高2130mともなると雨は下で降るものらしい・・・(笑)。
まあそれまでの人生の中で1番高い場所を経験したわけだから、理解が及ばなくても仕方がないのだろうけど・・・(苦笑)。
それにしても、下界で雨とはねぇ・・・。
それに気象がらみでとんでもないものを見た。
それは何かというと、
「稲妻」
何だ、稲妻なんて夏になればいっぱい見れるじゃないかと言われるだろう・・・。
しかし皆さん、「横に走る稲妻」というものを見た事があるだろうか?
しかもすごく間近で・・・。
後にも先にも、これ程の近距離で稲妻を見たことは無い。
その時、初めて「稲妻って無茶苦茶恐い!!」と思ったものである・・・。
それから、このくらいの標高になると星空の美しさがとてつもない!!
言葉では言い表せないくらいだが、本当に「星が降って来る」といった感じ。
そもそも星座が分からないくらい星の密度?が濃い。
それに流れ星がビュンビュン飛んでいる・・・。
ここに滞在した約40日の間に、一生分の流れ星をみたよ~な気がする・・・(苦笑)。
しかしここで事件は起こった!!
仕事も大分慣れた頃、この展望台で数人の仲間と酒盛り。
星空は美しく、地酒も美味い。
まあ酒が進む事進む事・・・。
自分で言うのも何だが、かなり酒豪の部類に入ると自負している。
そこでいつものようにいつものペースで酒を飲んでいた・・・。
しかし・・・。
そう、その時は知らなかったのだ・・・。
気圧が低い所で飲酒した場合のリスクを・・・。
調子こいて飲んでいたメンバー全員、翌日ひどい二日酔いに・・・。
この時の二日酔いはそれはそれは酷かった・・・。
私の人生の二日酔いワースト3に入るくらい・・・(どんなランクやねん)。
もちろん仕事など出来る訳もなく、メンバー全員が1日ダウンしていたのであった・・・。
しかし・・・。
あそこまで酔うものなんだなぁ・・・。
気圧が低い所で飲むと・・・。
宿泊所のアルバイトに対する処遇は意外と寛大であった。
アルバイトを3班に分け、ご来光を見に行くことを許可してくれた。
もちろんその日は仕事は休み。
そして私たちの番が回ってきた。
若かったという事もあるだろうが、多少キツイと感じた程度で山頂に到着。
そこから見た「ご来光」は荘厳の一言・・・。
毎年宿泊に来られるお客さんも多いと聞いてはいたが、
「この光景を見るためなら喜んで毎年くるよなぁ・・・」
と妙に納得。
しかし、この場所こそが例の噴火で多くの方々が亡くなられた現場となる。
今はまだ入山規制もかかっている。
再びこの美しい光景を一般の方々が見る事が出来るようになるまでには、いったいどのくらいの時間が必要なのだろう・・・。
一日でも早く復旧し、未だ行方不明の方々も早く見つかりますよう心よりお祈り申し上げます。
まあここからは蛇足だけれども・・・。
標高が高いところに体が慣れた人が、下界におりるとどう感じるのか。
そう・・・。
「やたら空気が濃い」
と感じるのだ・・・(笑)。
鼻に入って来る空気の量が多いと言えば分かり易いかと・・・(まあ分かんないだろうなぁ・・・)。
これは1日か2日で元の状態に戻りましたけどね・・・・。
人間の身体って、本当に楽な方にはすぐ順応するんですねぇ・・・(苦笑)。
おあとがよろしいようで。
次回は
「久々に落研の部室に参上」の巻