「調剤薬局について」の巻
今回は少々真面目な話を・・・。
最近、調剤薬局不祥事のニュースを多く見かける・・・。
そもそも調剤薬局とは病気の時に行くところ。
そのため、一般の方にはドラッグストアーほどの馴染はないかと思う。
さてさてその不祥事の件なのだけれども・・・。
以前、調剤薬局の経営にも携わった事があるので、内情はよ~く分かっている!!
今回問題になっている点は、大きくいって「服薬指導料」。
あまり細かい所まで説明すると、理解する方も大変なので簡単に説明しよう。
つまり、
「このお薬はこうやって飲んで下さいね。その時に〇〇と一緒に飲むと副作用の可能性が出て来るので、このような組み合わせはしないで下さいね・・・」
といった内容(薬の飲み方や副作用情報)を患者さん向けに説明する。
そうすると、指導料という名目で点数(お金)がもらえるという仕組み(実際ここまで単純ではないが・・・)。
但し、この指導した内容は必ずカルテ(薬歴簿)に記入しなければいけないルールがある。
そこまできちんとやって初めてお金をもらえるのであるが・・・。
不祥事と言うのは、その記入をせずにお金をもらっていたという点なのだ。
まあ簡単に言えば「不正請求」・・・。
しかも一人当たりの金額も少なくはないため、不正が発覚したところは何千万円も不正に取得していたことになる訳・・・。
流石にこれはやっちゃ~いかんでしょう!!
ある調剤薬局は
「うっかり記入忘れをしておりました」
などとほざいていたが、普通何千件も書き忘れる訳が無い!!
それに、指導内容をカルテ(薬歴簿)に書く必要がある事を知らない薬剤師は絶対いない!!
これは会社ぐるみの不正と言わざるを得ない。
まあニュースになるのも納得は出来る・・・(ただし、ネタ元は絶対内部告発のはず)。
ちなみに皆さんはご存じであろうか?
実はお薬を出してもらう場合、
「病・医院内で出してもらう方が、調剤薬局で出してもらうより安い!!」
という事実を・・・。
じゃ~それこそ「何のための調剤薬局?」となってくるわけだ・・・。
ただでさえ毎年医療費の増大が問題視されているのに・・・。
とりあえず詳しい説明は省くが、厚生省(当時はこう呼んだ)主導の基で「医薬分業」が進められてきたという経緯がある。
現在ではかなりの割合で医薬分業が進んでいるため、この施策は上手くいったと言えるのだろう・・・。
そこで起こった上記のような不正請求・・・。
ある意味、来るところまで来てしまった弊害という気がしないでもない・・・。
ただ気になる点が1つ・・・。
そもそもこの不正請求問題。
今に始まった事ではないという点(ってそんな昔からあったんかい・・・、苦笑)。
結構前に私が調剤薬局経営に携わっていた頃は、ちょくちょく保健所が回ってきて指導が入っていた。
それは今も大差ないのだろうけど・・・。
では何故今このタイミングなのか・・・。
大体、国は何か改変しようとする際、必ずスケープゴートを作る。
そうしておいて、
「こういう事が蔓延しないように改革をします」
という流れが多い。
個人的な考えとして。
あくまで個人的な考えなのだが、そこに
「レフィル」へ移行しようとの思惑が入っているのではないか?
と思っている。
レフィルという言葉はあまり馴染がないが、女性は分かるかも・・・。
一般的に、化粧品の詰替え商材などを「レフィル」と呼んでいる場合がある。
ではこれが医薬品業界の場合だとどうなるのか?
例えば、糖尿病の患者さんがいたとしよう。
その人は毎月病院に行き、処方箋をもらって薬局から毎回同じ薬をもらっている。
当然、病院での診察費用や薬局での費用を毎回支払うこととなる。
しかし、このレフィルという仕組みを使えば、
「最長6ケ月は病院に行かず、処方箋(前にもらったもの)だけ薬局に持って行けば同じ薬をもらうことが出来る!!」
という事。
もっと簡単に言えば、半年間は病院に行かず処方箋の使いまわしが出来るという事なのだ。
こうなると病院での診察費用を支払うことは無くなる。
また、薬局でも薬を出すだけとなるためこちらの費用も相当抑えられる事となる。
「え~っ、そんな都合のいい制度なんか本当にあるのぉ~?」
と、お思いになられる方々もいるかと思う。
しかしながら、これはすでに施行されている制度なのだ!!
但し日本ではなく、アメリカ・・・。
補足として、十数年前にアメリカのドラッグストアー等の視察をしたのだけれど・・・。
その当時すでにレフィルは行われていた(アメリカは合理的だよなぁ)。
「なぁ~んだ、アメリかぁ・・・、関係ないじゃん!!」
と思ってるあなた!!
それは大きな間違いである。
あれだけ鉄壁の守りを固めてきた日本の保険業界も、今はアメリカ資本にほんろうされっぱなし・・・。
しかもアメリカは日本市場に自国の薬品を入れたくてウズウズしている・・・。
多分日本政府は、
「アメリカからの圧力に耐え切れなかった」
といったよ~な言い訳がましい体裁を見せて、上記レフィルへと移行していくのだろう・・・。
ただ、今すぐこれをやることはないと思われる・・・。
もしそうなれば、調剤薬局の7割は確実に潰れてしまう事になるので・・・。
とはいえ、「増大する医療費」という現実問題がある以上どこかでかならずこのカードを切ってくる時が来る・・・。
えっ、理由ですかぁ?
だってこんなに簡単に医療費を削減する方法は他に無いから!!
(厚生労働省は随分前から極秘でシュミレーションやっているハズ!!)
と、いうことで・・・。
前述したように、最近ニュースで報道された
「今更ながらの調剤薬局の不祥事報道」
は、これをやるための伏線としか思えないのだけどねぇ・・・。
ちなみに皆様ご存知のように、今やすっかり日本に定着してしまったジェネリック医薬品。
これも随分前から欧州やアメリカで施行されていたという事実、皆さんはご存知?。
結局日本はその後追いをしてるというだけなんだよなぁ・・・。
あ~あ、この流れは止められそうにないかぁ・・・。
とにかくまあ皆様・・・。
このような事実があるという事だけは、頭の片隅にでも置いておいて下さいね。
おあとがよろしいようで・・・(こ、今回はオチが付けられん・・・泣)
次回は
「お気に入りのBar」の巻