「越境EC狂想曲」の巻
まあ今時、中国向け越境ECという言葉がやたらと使われている。
そのせいもあってか、越境ECに関するセミナーも花盛りのようであるけれど・・・。
確かに私も2~3度聞きに行ったことはある。
自分が行っている部分との違いを確かめるために・・・。
結論から言うと、どこも大差は無い!!
そりゃそ~だろう。
基本的に、中国のECサイトに掲載して商品を売る。
そこでの売買について、「商品管理や代金回収を代行しま~す」というサービスだから、あまり差が付きようがない。
ちなみに中国のECサイトはTAOBAOやTmallが有名だが、これは日本でいう楽天やYahooみたいなものと思えば分かり易いかと・・・。
ただ、どの業者の話を聞いても「サイトに載せる」とこ止まり・・・。
その次はど~すんのよ?
と、いったよ~な具体的な道筋が見えて来ない・・・。
皆さんもご存知だとは思うけれど・・・。
楽天やYahooに商品を載せただけで、商品は売れません!!(そりゃそ~だ)
だからTAOBAOやTmallにも同じことが言える・・・。
そこで彼らからの一言が・・・。
「商品の露出(目に留まる頻度)を上げるために、広告費をかけなければなりません!!」
「商品の認知度を上げるにはここを頑張るしかないのです!!」
といった、一見正しそ~な意見を言う。
またそれが結構お高い値段だったりする訳なんだなぁ~・・・、これが・・・!!(マジ)
こうして、費用を負担できなくなって離脱していく企業も多いことをご存知だろうか・・・。
確かに、広告宣伝費用を多くすれば商品の認知度は上がる。
でも、どの企業もそうしてきた場合、費用を潤沢に使えるところが強いに決まっている(そりゃそ~だ)。
大企業ならともかく、中小企業でこれを続けて行くのは厳しい。
越境ECを利用して商品を中国に売りたいとお考えの企業は、先ずこの点を理解しておいた方が良いだろう。
また、いろいろな越境EC斡旋企業があるが、ここを選ぶ時も注意が必要である。
以前、ある越境ECセミナーに出席したことがあるのだが・・・。
一通り越境ECの仕組み等の説明があった・・・。
私にとっては目新しくも何ともないような、つまらな・・・いや平凡な内容・・・(苦笑)。
そこで1点、越境ECにおいては非常に重要な項目について質問してみた。
「御社では、備案番号の取得は可能でしょうか?」
その瞬間、相手の顔が「ポカ~~~~ン」と・・・(笑)。
担当者:「えっと・・・、あの・・・、ビ、ビアンバンゴウ?」(どういう漢字かすら分からない様子)
私:「はい、そうです。備案番号です」
担当者:「すいません・・・。良く分からないのですが・・・。」
担当者:「多分ですが・・・、それを取らなくても送れますので問題無いかと・・・。」
といった返答が。
この瞬間、私は
「(この企業は全く中国事情に疎い。こんなとこに私なら商品を任せられないよなぁ・・・)」
と判断。
確かに、備案番号が無くても送れない事はない。
ただそれ以上に、備案番号取得システムを知らないという事の方が問題なのである。
この備案番号という言葉、初めて聞く人も多いだろうから簡単な説明を。
これは予め、企業情報と商品内容を通関に登録し、商品の税率を決めておく事により通関がスムーズに行えるという事。
商品1つに対して1つ番号が付与される(これは商品が変わらない限り、永続的に使用可能)。
一言でいえば、商品を事前登録して番号を付与してもらうというと分かり易いか・・・。
例えば、ジャムを1ビン送るとしよう。
備案番号が無い場合、通関で商品が止められる。
注文者はその商品を通関まで取りに行かなければならないし、そこで税金を支払うことでようやく手にする事が可能に。
通関といっても、どこにでもある訳ではなく加えて中国はだだっ広い!!
極端な話、ジャム1つのために名古屋から東京までくらいの距離を移動しなければならない事もある・・・(恐)。
しかも通関で待たされて、商品受取までに大体3~4時間くらいかかっているそうだ!!(6月現在)
では備案番号を取得している場合はどうかというと。
通関をスムーズに通過して、しかも注文者指定場所(自宅or会社)まで届けられる(もちろん税金は取られるが)。
たったこれだけ・・・。
皆さん、この違い分かりますかぁ~~~(爆)。
注文側からすると、同じ商品でも通関まで取りに行かなければいけないサイトと、自宅まで届けてくれるサイトのどちらを選ぶでしょう?
もう言うまでもありませんよねぇ・・・(ちなみに弊社は備案番号取得可能なサイト!!)。
こんな重要な事すら分からずに、「越境ECやりませんかぁ~」とのたもうている企業ってねぇ~・・・。
もっと勉強してから言って欲しいよなぁ~。
そんな使い勝手の悪いシステムを提供しようだなんて・・・。
このままじゃ~言葉は悪いが、ある意味詐欺と同じでしょ!!
まあ大半がこのようなとこばかりですけどね・・・。
これから中国向け越境ECを真剣に考えるなら、上記内容を踏まえた上で企業を選ぶべきだろう。
ECサイト上に乗せるだけで、次の施策が「広告費をかけましょう」というよ~な所は決して選ばないよ~に!!(爆)
じゃ~「お前の所は次の施策があるのか?」って・・・。
もちろんあるから書いているんですけれども・・・。
まあ本気で取り組みたい方はお気軽にご一報下さい。
ここで説明してたら、ものすごい長文になってしまうのでご勘弁を・・・(苦笑)。
まっ、たまには自社の宣伝くらい大目に見て頂けますと・・・、ねっ・・・(爆)。
おあとがよろしいようで。
次回は
「留学生と就職問題(留学生支援プロジェクト)」の巻