「円安報道について」の巻

2014年12月10日現在の話である。

アベノミクスの影響?か、ここ半年間くらいで急激な円安が進んで行った。

 

今年の5月と8月に上海に行ったのだが、確実に8月の両替金額が目減りしていたのを感じた記憶がある。

今はそれからさらに円安が進んでいる。

今、上海に行ったらどうなるのだろう・・・。

考えただけでもゾッとする。

 

しかしながら悪い事ばかりでもない。

皆さんご存知の通り、円安は輸出を行なっている企業にとっては追い風となる。

かくいう私も中国に一部輸出(という程でもないが)している企業の一つ。

売れる数はあまり変わらないが、売上金額自体は確実に増えていると言えよう。

 

ただ、こうなると反対に輸入企業は大変である。

約1年前は今と比べてかなりの円高であった。

知人は輸入を主に行なっている企業なので、円高の恩恵を非常に受けていた。

しかし、ここ最近の円安で、

 

知人:「最近の円安はたまらん・・・」

私:「でも輸入自体は好調なんだろう?」

知人:「そうなんだけど・・・」

私:「?、どうした」

知人:「円安で利益幅がほとんど無くなり、輸入事業を行なっている意味が無い」

私:「でもその分、以前は儲けたんだろう?」

知人:「まあそうだけど・・・。でもこの状況が続くとこの先どうなるか・・・」

私:「う~ん・・・(何ともいえない)」

 

身近にこのような知人がいると、円安が経済に与える影響というものを肌で感じられるから、ある意味ありがたい。

もちろん自分の輸出事業も同じような事が言えるのだが・・・。

 

そこで冒頭の見出しにあったニュースでちょっと気になる事があった。

しかもかなり有名なニュース番組で。

そのニュースが言っていたのは、

「円安の影響でサーモンの輸入価格が倍になりました」

と・・・。

 

まあ普通に聞けば「へぇ~、そうなんだ」と流すくらいのニュースである。

ただ知人の中にサーモンの輸入を取扱っている奴がいる。

そいつ曰く。

「今回のサーモン高騰の直接の原因はロシアだ」と・・・。

 

つまりウクライナ問題で、アメリカとEUがロシアに経済制裁を課したのはご存知だろう。

その結果、ノルウェーから輸入していたサーモンがロシアに入らなくなった。

するとロシアは南米のチリからサーモンを輸入する事に。

ここで困ったのが日本。

実は日本もチリから大量のサーモンを輸入している。

そこで現地での卸価格が高騰し、日本でのサーモンの価格が倍になったという訳。

 

つまり円安だろうが円高だろうが関係なく、需要と供給のバランスの関係でサーモンの値段が上がったのである。

もし経済制裁が無く、通常の円安の進行だとしたらサーモンの価格は上がっても2~3割程度だろう。

報道する側はこのカラクリは分かっているはずである。

それなのに単純に円安のせいでサーモンの価格が2倍になったと言う・・・。

 

まあ確かに池上彰さんじゃないから、時間を取って丁寧に説明は出来ないのは分かる。

短い時間で多くの事を伝えないといけないから・・・。

しかし、いくら分かりやすいとは言えこのような短絡的過ぎるニュースはいかがなものか・・・。

視聴者をバカにし過ぎてやしないかと考えるのは私だけだろうか・・・。

 

まっ、私がこう言ったからといって経済や円安には何の影響も無いんですけどね・・・(苦笑)。

おあとがよろしいようで。

 

次回は

「年賀状について」の巻

 

 

 

 

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