「学生は、国際人という前に・・・」の巻
前にも書いたが、現在とある大学プロジェクトのアドバイザーをしているため、学生達と触れ合う機会は多い。
プロジェクト自体も、「海外へ向けた展開」というのが基本となっている。
そういう事もあってか、「海外で働いてみたい」といったよ~な若者の比率が高い。
まあそれは良いのだが・・・。
彼らを見ていると、「外国で働き英語が話せる人が国際人だ」と思っているようなフシがある・・・。
いやいやそれはちょいと違うのでは・・・?
英語が話せて外国で働くという点に当てはめたら、アメリカ・カナダ・イギリス・インドなんてほとんど国際人になってしまう・・・(苦笑)。
ここでハッキリさせておきたいのであるが、国際人とは「自国文化をきっちり理解した上で、他国の文化を尊重し仕事(折り合いをつけて)が出来る人の事」だと、私は考えている。
プロジェクトに携わっている学生は、他国から来た留学生と接する機会も多い。
その時、学生達は留学生達の国の文化や食べ物などに興味を持つ。
結構多いのは、例えばマレーシアの留学生が民族衣装を着て、尚且つ自国の料理を作って皆に披露するといったようなイベント。
こういった交流は分かり易いし、日本の学生と留学生が仲良くなれるので大事な事だ!!
また、それを素直に日本学生も喜んでいるのは結構なのだけれども・・・。
逆に、自分が他国へ留学したときに同じように披露できますか?という事。
民族衣装は当然和服となる。
着物は着るのが大変(揃えるのも)なので、そこまでしろとは言わないが、せめて浴衣くらいは自分で着れるよ~にはなって欲しいもんだ。
ただ、最近では和装に興味を持つ外国人も増えてきたので、逆に向こうの方が上手い場合も出て来たようだが・・・(笑えない・・・)。
それに加えて、「日本の伝統料理を食べたい!!」と言われた時、日本人留学生は何を披露するのだろうか。
天ぷら?刺身?寿司?
どれも有名であり、技術がいるものばかり・・・。
ラーメンも有名だけれど、こんなのインスタントじゃなきゃ~とてもじゃないが作れない!!
このブログをお読みの皆様・・・。
貴方なら何を作りますか???
一度、真剣に考えてみる価値はあると思いますよ!!
それから、あまり良い例ではないのだけれど、ある知人の娘さんがイギリスへ留学した時の話。
その娘さんから知人に
「至急、川端康成の本を送って欲しい」
との連絡があったそうな・・・。
知人が不思議に思い、聞いてみたところ、娘さんから
「イギリスの友人が川端康成の本を読んでいて、それに関して君の感想はどうなんだい?と聞かれ、それに全く答えられなかったの・・・」
との事。
そりゃ~本を読んでなければ返答出来るはずもないのだが・・・。
また、そのイギリス人はこうも言ったそうな・・・。
「君は日本人なのに、何故自国の文学を読まないのかい?自国の事も勉強せずにイギリスまで来ていったい何を学ぼうというんだ」
とのキツイ一言が・・・(ズバリ本質を突かれているだけに何も返せないよなぁ・・・)。
そこで慌てて本を送ってもらい、イギリスで日本文学を学び直すという本末転倒な結果に・・・。
この話がある意味すべてを凝縮していると言えよう・・・。
学生が思い描いている国際人と言うのは「西洋化」(英語が話せて、金融機関でバリバリ働くというような)。
悲しいかな、そこに東洋の自国文化はほとんど存在していない・・・。
そもそも、自国のアイデンティティというものを自覚(勉強)もせずに、何が国際人だってぇ~の・・・(苦笑)。
英会話教室~~~~?
その前に、正しい日本語を使えるようになりなさいってぇ~の!!
そしてもっと自国の伝統文化を学びなさいってぇ~の!!
とにかく、外国へ留学したいと考えている学生諸君は、何かしら1つはきちんと日本伝統文化を教える事が出来るようにしなさい!!
そ~すれば、外国人の方から日本文化学びたさに寄ってきますから!!(マジで)
何故外国人がこれ程日本文化に入れ込むのか。
そこを考えた事はあるだろうか。
そして、その点を今の日本の若者は再度見つめて欲しい。
自国文化を学び、そして外国にそれを伝え、お互いの国の文化交流を行い留学(勉強)や仕事に生かして行く・・・。
このような事が出来て初めて国際人と言われる人物像になれるのではないかと、私は考えている。
えっ、じゃ~偉そうに言ってるお前は何が出来るんだって?
日本の伝統文化であり、話芸でもある「落語」でしょうかね・・・(ちょい自慢)。
ただなぁ~・・・。
古典落語だと、江戸時代の文化風習まで説明しなくちゃ分からないだろうからなぁ・・・(外国人に対して)。
新作落語で話が分かり易いものをという手もあるのだが・・・。
まっ、何れにせよ落語を英語に訳(変換)して話す程の力は無いので、披露自体出来ませんけどもね・・・。
はっはっはっ・・・(これも笑えん・・・)。
おあとがよろしいようで。
次回は
「日本で働く中国人の考え方(日本企業側とのギャップ)について」の巻