「バブル期+フランス料理=トラウマ」の巻
前回と違い、今回はちょっとライトな話にしよう。
私が就職したころ、世はまさに「バブルの絶頂!!」。
ちなみに就職したのは、某外資系の製薬会社(現在では世界のTOP3に入っている)。
このころから私は医薬品関係の道を歩き始めてたんですね、私は・・・。
ちなみに、医薬品業界はあまりバブルには関係ない。
というのも、土地や株価が値上がりしようがなんだろうが、患者さんが増える訳ではない。
逆に不況でもインフルエンザ等が猛威を振るえば売上は上がる(当り前ですが)。
そういう意味では安定産業に近いとも言える(昔はね。今は違うみたいですが)。
まあそう言いながらも多少はバブルの恩恵は受けたように思う。
先ず新入社員に渡されたのが「JCBのゴールドカード」(もちろん法人カード)。
それまでクレジットカードすら持った事が無い男が、いきなりゴールドカード持ちに!!
サイフからちらっと見えるゴールドカードを見て周りから、
「その若さでそんなカード持ってるんですか?すご~い、お金持ちなんですねぇ~」
と言われる(女性から)。
最初は「会社のだから」と説明していたのだが、途中から面倒になり「はいはい」と答えていた。
その結果、私が払わされる回数が増えたよ~な気がするのは気のせいだろうか・・・(ザ・自業自得)。
さて本題に戻ろう。
仕事がドクター相手なので、当然接待も多かった(なんせバブルですから)。
そこでA院長、B院長、C院長という3つの医療機関の院長との接待話が出てきた。
接待の流れだが、先ずお互いの空いている日程を調整して、それが決まると時間と場所(料亭or高級レストラン)は大体先方の希望にそって決める事が多い。
決めるというより「主導権」と言った方が早いだろう。
極端な話、ドクターが肉を食べたいと言えば「私もそうでした」、魚が食べたいと言えば「私もそう思っておりました」と答えるしかない。
つまりこちらに選択権はほとんど無いという事である・・・(苦笑)。
まあこれは今も昔もそう変わらないのかな・・・。
それから先ず、A院長と面談し接待の話をした。
私:「A院長、今度お食事でもいかがですか?」
A院長は「来週の火曜日、19時からなら大丈夫」
私:「かしこまりました。私も問題ございません。それでは場所はいかが致しましょう?」
A院長「そうだね、浦和に最近できた高級フレンチはどうだろう」
私:「かしこまりました。それでは私が予約をしておきます」
これでA院長との予定が決まった。
次にB院長と面会。
同じような話をして、
私:「日時はいかが致しましょう?」
B院長「来週金曜日の19時からだね」
私:「ご希望の場所はございますか?」
B院長「ほら、例の浦和に出来た高級フレンチ。そこに行こう」
私:「(あれっ、どこかで聞いたぞ。そうだ、A院長の希望と同じ場所だ)」
私:「あっ・・・ああ・・・、かしこまりました、それでは私が予約しておきます・・・」
B院長「よろしくね」
ということでB院長との予定が決まる。
しかし2人とも同じ場所を指定するなんて・・・。
情報通なのか情報音痴なのかほんと~によく分からない。
まあいいやと思い、今度はC院長の所へ。
ここはいきなりのストレートで、
C院長:「ねえ君、今度浦和に新しく出来たという高級フレンチがあるそうじゃないか。そこへ行こうよ」
私:「・・・・え~っ・・・?ああ・・・大丈夫ですが日程はいかが致しましょう・・・」(日程が合わないことを心の底から祈る!!)
C院長「そうだね、来週の水曜日しか空いてないんだよ。君はどう?」
私:「・・・・・・あ、空いてます・・・・・。」
かろうじて答えるのが精いっぱい。
かくして、翌週の火曜日・水曜日・金曜日に浦和の高級フレンチで食事をすることとなった。
しかしまたこれがとんでもない悲劇というか喜劇というか・・・。
続きはまた次回ということで・・・。
おあとがよろしいようで。
次回
「バブル期+フランス料理=トラウマ②」の巻