日向当帰(ヒュウガトウキ)とは

日向当帰の歴史

日向当帰(ヒュウガトウキ)は古くは「神の草」として旧薩摩藩の住民が江戸時代から密かに愛用していた民間薬でした。従って古くからこの地域に自生していた植物であると考えられています。

「ヒュウガトウキ」の人工栽培は、昭和20年前後に大分県別府市在住の平野文明さんのもとに、「朝鮮人参」として持ち込まれたものを自宅の庭に植えついで、約20年で数株から数百株に増やしたのが始まりです。

その後、その増えた株を数人の友人に分け与えたところ、病気の治療などに効果があった実体験などにより、人工栽培が広がっていきました。

この人工栽培は試行錯誤を経て、現在では九重山系と祖母山系で各々1グループが人工栽培を続けています。九重山系のグループの株は、さらに宮崎県から茨城県に株分けされています。

日向当帰の名前について

ヒュウガトウキが多くの人に飲まれはじめた段階で、栽培者グループが名前をつけようと考え、もともと朝鮮人参として持ち込まれた経緯や、姿形が朝鮮人参と似ていることから「日本山人参」と命名されました。

昭和32年に宮崎大学農学部・志田庄二郎教授が、京都大学・広江美之助理学博士の協力を得て「日本山人参」の研究を始められ、昭和33年にこの「日本山人参」と命名された植物が「イヌトウキ」に属するとのレポートが出されました。この「イヌトウキ」とは九州・四国・近畿地方南部に広く分布している同じセリ科の植物です。これにより「日本山人参」は「イヌトウキ」として学会発表論文や文献に記載されてきました。

これとは別に、昭和45年から昭和46年にかけて、宮崎県中北部から大分県南部にかけて存在する「ウヅ」といわれるセリ科の植物が植物学者である北川政夫氏により詳しく検討され、「ヒュウガトウキ」という新しく見出された植物であると発表されました。この「ウヅ」(ヒュウガトウキ)は、それまで「イヌトウキ」と誤認されて伝えられてきましたが、「イヌトウキ」とは別の新しく認知されたセリ科の植物であることがわかったのです。「ヒュウガトウキ」は茨城県に株分けされているものを除くと、宮崎県中北部から大分県南部のこの地域にしか存在していません。

平成6年に、この「日本山人参(イヌトウキ)」と命名された植物と、新しく見出された「ヒュウガトウキ(ウヅ)」を前述の宮崎大学農学部・志田庄二郎教授が実験農場で栽培し、比較検討した結果、「日本山人参(イヌトウキ)」は「ヒュウガトウキ(ウヅ)」に近いという結論が発表されました。

また、和漢医薬学会でも、日本山人参に関係した学者が検討した結果、これまでイヌトウキと発表されてきた生薬は、結果的に「ヒュウガトウキ」であったとの結論に達しています。

以上の結果、それまで「日本山人参(イヌトウキ)」と呼ばれていたものは「ヒュウガトウキ」であることがわかりました。

現在では、「日本山人参」という名称は「ヒュウガトウキ」「イヌトウキ」を含むセリ科の同類植物の総称として使用されており、「イヌトウキ」(学名 Angelica. shikokiana.Makino)と「ヒュウガトウキ」(学名 Angelica Furcijuga Kitagawa)は明確に区別されています。また、九州農業試験研究機関協議会の研究発表により、AFLP法を用いた系統解析により宮崎県の「ヒュウガトウキ」と「イヌトウキ」とは遺伝子的に異なる種であることが明らかになっています。

九州農業試験研究機関協議会の研究発表資料http://qnoken.ac.affrc.go.jp/yoshi/no68/68-068.pdf

わらしべ日向当帰 成分表

エネルギー 364kcal 水分 5.2g
たんぱく質 11.2g 脂質 5.5g
食物繊維 41.5g 糖質 25.8g
灰分 10.8g ナトリウム 8.6mg
カルシウム 840mg カリウム 1,900mg
マグネシウム 184mg リン 200mg
43.4mg 亜鉛 2.15mg
0.77mg ビタミンA α-カロテン 14μg
βカロテン 3,000μg クリプトキサンチン 43μg
レチノール 当量250μg ビタミンDa-トコフェロール 15.5mg
β-トコフェロール 1.1mg γ-トコフェロール 0.4mg
δ-トコフェロール 1.4mg ビタミンK 890μg
ビタミンB1 0.03mg ビタミンB2 0.59mg
ナイアシン 4.4mg ビタミンB6 0.46mg
ビタミンB12 0.29μg 葉酸 51μg
パントテン酸 0.83mg ビタミンC 2mg
セレン 0.03ppm コエンザイムQ10 3.2mg
ヒドロキシプロリン 0.14g 総フェルラ酸 34mg
ケイ素 2040ppm    

(100g中の各成分)

日向当帰に特に多く含まれている栄養素についての解説

日向当帰の働き

日向当帰(ヒュウガトウキ)の根については、平成14年11月に厚生労働省によりその薬効が認められ、医薬品として生薬のリストに加えられました。すなわち朝鮮人参やウコンなどと同じように生薬として認知されたのです。

ちなみに「イヌトウキ」はこれまで薬効が検討されたり、生薬として用いられた形跡はありません。

また日向当帰(ヒュウガトウキ)の葉については、生薬としての認定はされていませんが、根と同様様々な成分が含まれており、また、ヒュウガトウキの薬効の主役である「YN-1」という有機化合物が根よりも葉に多く含まれることがわかっています。

この「YN-1」をはじめ日向当帰にはほかに、「イソプテリキシン」「アノマリン」という3種類の有機化合物が発見され公表されていますが、明治薬科大学の奥山教授らのグループが第4の化合物を発見して、現在はどのような薬理作用を持っているのか研究が進められています。

日向当帰の各症状に対する働きの詳細はこちら

生薬と西洋薬について

日向当帰(ヒュウガトウキ)の働きがあるものとして、挙げられている症状が多岐にわたるため、疑問に感じられる方もいらっしゃる事だと思います。

日向当帰(ヒュウガトウキ)の根については、前述の通り生薬のリストに加えられた医薬品ですので、健康食品に使用することはできません。わらしべ日向当帰(ヒュウガトウキ)は根と同様様々な成分が含まれている葉及び茎を原料とし、茶は100%、サプリメントは粒状に固めるために必要最低限の成分以外は日向当帰(ヒュウガトウキ)葉及び茎のみを原料として生産しています。

ところで、この生薬や生薬を組み合わせた漢方薬と西洋薬の違いをご存じでしょうか。

私たちが一般に薬と呼んでいるものはいわゆる西洋薬です。

西洋薬は生薬などから有効成分を抽出したものですので、効き目が強く即効性がありますが、1つの症状にのみに対して効き目があり、副作用の懸念もあります。

それに対して生薬は素材が丸ごと使われているため、効き目が西洋薬に比べ穏やかではありますが、1つの生薬で様々な症状に対する効果が見込めます。有効成分以外にも様々な成分が含まれているためです。また副作用も生薬の種類によっては皆無ではありませんが、西洋薬に比べ大変弱いものがある程度です。

またこの生薬を組み合わせた漢方薬は、その組み合わせにより様々な効果を発揮します。

わらしべ日向当帰(ヒュウガトウキ)はあくまで健康食品ですが、原材料をそのまま使用していますので、様々な症状に対して効果を発揮しても決して不思議ではないのです。

日向当帰と朝鮮人参(高麗人参)

ヒュウガトウキはセリ科の植物で、朝鮮人参(高麗人参)はウコギ科の薬草です。朝鮮人参(高麗人参)はすでに有名であり高価な生薬です。その有効成分は詳しく研究されていて、臨床応用も広く一般的に体にいいと認知されています。

それに対してヒュウガトウキは知られ初めて30年ほどであり、まだまだ十分な研究がなされているとは言えませんが、その薬効は朝鮮人参と比較してもかなり共通した作用がみられます。

ただし大きな差が一つだけあり、朝鮮人参(特に白参)は血圧を上昇させる傾向があるのに対し、ヒュウガトウキには血圧を下げる作用が証明されていることです。

この血圧低下作用は高血圧状態にのみ現れ、血圧の正常な人や低血圧の人には現れません。これはヒュウガトウキに限らず生薬や漢方薬に共通する特徴で、現代西洋医薬品のようにどんな人の血圧も下げてしまう、あるいは下げすぎてしまうということがありません。

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