「お盆といえば墓参り」の巻
毎年お盆には、亡き父の墓前にお参りに行く。
まあ当たり前と言えば当たり前なのだが・・・。
これもひとえに、両親が交通の便の良いところにお墓(納骨堂)を選んでくれた点が大きい。
つまり、比較的気軽?にお墓詣りに行けるというのは正直ありがたいものである。
実はこのお墓、私が高校生くらいの時に両親が探してきた。
「子供が二人とも男だから、将来どこに行くか分からない。だからお墓参りに来る場合を考えて、駅から近いところにしよう!!」
という意図があったよ~だ(ちなみにお墓の場所は博多駅の近く)。
まあ結局、私が福岡に残っているのでこの目論見は半分外れたのではあるが・・・(苦笑)。
それでも、母親として「どちらかが近くに居る」のは心強いのであろう。
お墓参りには出来るだけ一緒に行くようにしている。
娘2人が小さい時は、訳も分からずに付いてきていた・・・。
それから多少大きくなった時に、
「流石にもう付いて来ないだろう」
と思っていたのだが・・・。
どういう訳か、墓参りというと嬉々として付いてくる・・・。
それは何故か・・・。
実は、お墓の近くに「キャナルシティ博多」という巨大複合施設が出来たから・・・。
「おいおい、それって本来の目的と違うやん!!」
と、思いつつも
「まあ付いてきてくれるだけマシかぁ・・・」
と、ある意味あきらめの境地?にある私です・・・(苦笑)。
結局、我が家ではお墓参りの後にキャナルシティに行って食事や買い物をするというパターンが定着してしまったのである・・・(まっ、これもありでしょう)。
亡き父親の想いではたくさんある。
正真正銘の大酒飲みであった・・・(笑)。
おかげで私も正当な血統により、大酒飲みなのですけれども・・・。
その想いでの中で特に印象の深かったエピソードがある。
確か私が27歳の頃だったと思う。
大学時代の悪友Nと飲んでいたら、Nから
「実は今度結婚しようと思うんだ」
とのサプライズ報告。
それは良いことなので、その場で祝福しているとNから、
N:「実はお願いがあるんだけど・・・」
私:「何、司会?。それなら喜んで引き受けるよ!!」(ブログをご覧の方はご存知だろうが、私は結婚式の司会を100回以上やっている)
と返答。するとNは、
N:「司会はお願いするけど、それとは別のお願いなんだ」
という。
私:「じゃ~何なの?」
と聞いたら、
N:「実はお前のご両親に仲人をお願いしたいんだ!!」
と言うではないか・・・。
私:「え、えぇ~~~~~?・・・仲人???、うちの両親に?」
N:「そうなんだけど・・・。大丈夫かなぁ・・・」
私:「大丈夫も何も、普通会社の上司に頼むだろう。そうしないと社内でカドが立つぞ!!」
と、さんざん説得したものの、本人の意向は変わらず・・・(頑固もんめ!!)。
とにかくこのままではラチがあかないので、直接親父に会わせることに・・・。
そしてその当日。
それまでに、私は何度もNを説得した。
そりゃそ~だ。
日本と言うサラリーマン社会に置いて、直系の上司に仲人をお願いするのが当然と言う時代だったのだから・・・。
親父の行きつけの小料理屋で待ち合わせ(ちなみに親父に仲人の件は一切話してなかった)。
そしてNが状況を説明。
それを聞いていた親父がたった一言・・・。
「よかぞ!!」(博多弁で「いいよ」という意味)。
おいおい親父よ、今までさんざん説得してきた息子の立場も考えろよこのボケェ~ッ!!
と、悪態の一つもつきたくなったが、本当に嬉しそうにしているNの顔を見るとねぇ・・・。
そりゃ~何も言えんわい・・・。
それから暫く楽しい飲み会は続いて、河岸を変えようとの話に。
丁度近くにビリヤード場があったので、
「軽く酔い覚ましにビリヤードでもしますかぁ~」
とNが言った。
その頃はかなりビリヤードが流行っており、「ナインボール」がゲームの主役。
あっさり仲人を了承した親父に多少腹も立てていたので、ビリヤードでギャフンといわせてやろうと画策。
そこで親父を無理やり連れていった。
ビリヤード場に着いて、親父が
「四つ球しかした事無い。ナインボールは知らん!!」
と言ったので、
「俺たちが手本見せるけん、しっかり見ときぃ~」
と、余裕綽々であまり上手くない手本を・・・(苦笑)。
とりあえず1ゲームじっくり見ていた親父。
Nと二人で勝負を始めた・・・。
先行はN。
そして親父の番に。
私もNも完全に親父を初心者扱い!!
そして親父が最初の球をキレイにポケットへと入れた。
私とNは、
「お~、親父上手いやない!!」
と、少々小馬鹿にして褒める。
すると親父が
「へぇ~、こうするったいね」(へぇ~、こうするんだな)
と言いつつ、次の球もキレイにポケットへ・・・。
「あれっ?」
と、私とNの中に走る違和感・・・。
そして、
「ふんふん成る程・・・」
と言いつつ、次の球も同じように沈めて行く親父・・・。
こうなると違和感どころではない!!
何か次元の違うものと対峙している時に感じられる皮膚感覚というのだろうか・・・。
そう、ライオンとウサギくらい違うような・・・。
改めてよく見てみると、妙に姿勢が決まっている!!
安定感と言うのだろうか、長年の経験というのだろうか・・・。
それにキューの握り方や軌道が安定している・・・。
唖然としている二人を尻目に、結局残り球すべてを突ききってしまった・・・。
まだ若い二人。
それでも意地になって数ゲーム続けたのだが・・・。
あえなく惨敗・・・(苦笑)。
後で調べてみたら、四ツ玉の方が圧倒的に難しいとの事・・・。
そりゃ~負けるに決まってるよなぁ・・・。
それに、本格的な第一次ビリヤードブームは親父たちの世代だったとも判明!!
しかし親父も人が悪い!!
騙された?振りをしてコテンパンにやっつけてくれやがって!!
まっ、私たちが上手くないことすらも見抜かれていたんだろぉ~けどね・・・(苦笑)。
お盆だけでなく、お墓参りをする度に思い出される親父との想いで。
と言えば聞こえはいいけれど・・・。
今でも想い出すたびにちょっとイラッとくる私・・・。
ちくしょう、何十年後かにあの世で勝負したるわい!!
って本当、小さな奴だよなぁ・・・、俺って・・・(笑)。
まっ、そういう想いは置いといて・・・。
皆さん、是非お墓参りには行きましょうね!!
おあとがよろしいようで。
次回は
「親父伝説」の巻