「結婚式の司会やりました」の巻
前回、ブライダルショーのバイトの話をしたので、それに関連する話を1つ。
以前、外資系の製薬メーカーで働いていたことは話したが、その中でも結構気の合う同期のA君という友人がいた。
A君は本社務めであり、私は埼玉の大宮勤務だったのでちょくちょく会ってはいろんなバカ話で盛り上がっていたことが今では何か懐かしい・・・。
当時23歳の頃、A君が急に私に切り出した。
A君:「実は、今度結婚したい人がいるんだ」
私:「そりゃぁ~良かった。おめでとう」
A君:「そこでお前に頼みがあるんだけど」
私:「いいよ。何でもきいてやるよ」(多少、いや、結構お酒が入っていた)
A君:「そっか。そうかぁ~。持つべきものは友達だよなぁ~。」
A君:「じゃ~早速だけど、結婚式の司会をして欲しいんだ」
私:「えっ・・・し、司会?それも結婚式の・・・?」
A君:「そう。お前なら出来そうだし、知らない人に司会してもらってもつまらないし。」(彼は私が落研だった事を知っている)
私:「・・・まあ、お前が、そう言うなら・・・。」(酒で思考が働かない)
A君:「お~、本当にありがとう。お前ならやってくれると思ってたよ」(上機嫌)
私:「じゃ~一丁やってみますかぁ~(笑)」(酒量MAX状態での反応)
酔った勢いというのは怖いもので・・・。
このようにして人生初の「結婚式の司会者」をすることになった。
早速、司会の本を買いに書店へ。
とりあえず数冊の本を購入。
いろいろ調べてみると、大体の内容が掴めた。
要は「使ってはいけない言葉」を使わないように気を付ける。
例えば、「もう一度拍手を」→「今一度拍手を」等(切れる・離れる・再びみたいに2度目を連想させる言葉はダメ)。
よほどのことが無い限り、言うセリフは大体決まっているため、「何だ、こらならやれそうじゃないか」と思った。
そして新郎・新婦と一緒に会場へ打合わせに行ったのだが、その会場を見てビックリ!!
「椿山荘」とだけ聞いていたのだが、その実物を知らなかった・・・(だって福岡の田舎者ですもん)。
せいぜい普通のウエディングハウス程度だと思っていた・・・。
ところがどっこい、歴史も古くその佇まいの迫力は半端ない・・・(さすが財閥系が所有していただけの事はある)。
しかも庭園の美しさは特級品(おヒマな方は検索されてみて下さい。どれだけすごいかが良く分かります)。
「マジ゙かぁ・・・、まいったなぁ・・・・、こんな格式の高いところでやるのか・・・。」
一気にテンションが下がり、不安だけがこみ上げてくる・・・・。
それに加えて新郎から、
「新婦の兄がホテル関係に勤めているんだけど、そのお兄さんから「初めて司会をやる人で大丈夫なのか?」と聞かれたので、もちろん大丈夫ですと答えておいたよ(笑)」
とお気楽な言葉が・・・・。
「そっ、そうかぁ・・・・・(おいおい、その確信はどっから出てくるんだ?)」
そして迎えた結婚式当日。
緊張しまくりながらもどうにか無事にお開きを迎える事ができた・・・(かなりしんどかった・・・)。
後でビデオを見せてもらったのだが、最初の方は緊張した様子がありありと映っていた。
でも後半が近づくと「もうすぐお開きを迎える」という解放感からか、喋りもスムーズになっていたのを見て自分でも笑ってしまった。
ちなみに新婦のお兄様から、「あいつは本当に司会は初めてか?」というお褒め?のお言葉を頂きました(ちょっと嬉しかった)。
このようにして私の初めての結婚式の司会が終わった。
はずだった・・・・。
しかし、本当はこれがすべての始まりだった・・・・。
この司会が友人・知人に知れ渡り、気が付けば30歳を迎える頃には70回を超える結婚式の司会をしていた・・・。
しかも全員友人・知人の司会(見知らぬ方の司会はした事がありません)。
ついでに言うと、35歳の頃には100回を超えたのだが、これ以降面倒なので回数を数える事は止めてしまった(これも友人・知人だけ)。
まあこれだけの回数司会をやると、当然印象深い?式もいくつかあった。
このエピソードについては次回お話致しましょう。
おあとがよろしいようで。
次回
「結婚式の司会やりました②」の巻